「信義を立てなければ、人の信頼を得ることはできない。常に義を立てれば、そ
れが口から口へと伝わり、やがて何事も思う通りになり、事業も栄えるようにな
る。」
- 金よりも人を得よ
ビジネスでは、人の心を得ることが第一。
お金儲けよりも、真の友人を得て、Win&Winの関係を築くことが大切である。
胡雪岩は友人が金に困っていると率先して貸してあげたという。自分が貧乏で
あったので、貧乏は辛いことを知っているからである。それは貸金ではなく、投
資と考えていた。人情は生涯忘れないものだから。
また貸金業としてのビジネスだが、お金を借りた人の多くはきちんと返すこと
を体得していた。それは体面を重視するからであり、相手の面子を立てればきち
んと返すということがわかっていた。
私には耳の痛い話だ。お金の貸借は、友情を壊すものだと思っている。お金を
貸すことで自分が上位になるような感じになるし、お金を催促したら相手は逃げ
てしまう。そしてそれについて苦言をしないと、また借りにくるし、限度がな
い。全てそういうわけではないが、そうなることが多い。
妻の父兄弟には、少額だが一通り貸している。
ただ返ってくる見込みのない、投資だと割り切っている。
それで少しでも生活が楽になったり、チャンスが生まれて成功すればいいなあ
と思っている。できのよい姪はがんばってくれるかな?
- 誠実と信義で天下の顧客を集める
人間として最も大切なのは信用である。人に約束したことは絶対に破ってはな
らない。約束を破ったら、人に軽蔑され、誰も相手にしてくれなくなる。
一度約束したら、それを守る。いいかげんな約束はしない、絶対に嘘はつかな
い。それができなければ、誰も信用してくれない。技術職では、機械やコン
ピューターは言ったとおりのことしかしないし、言ったとおりのこともやってく
れないのは自分の責任なので、せめて身の回りでは約束は大切である。
これは当たり前のような気がする。わざわざ、この本に書いてあるのは、約束
を破る人が多いのかな!?
- 義をもって財を成す者こそ、真の商人である
「頼れるのは自分だけである。対人関係をつくるのも自分に頼るしかない。自
分がしっかりしていなくて、どうやって本当の友人がつくれるだろう。あなたた
ちの困難は私たちの困難である。また逆にいえば、自分のことばかり考えていな
いので、友人のことも考えねばならない。」
ビジネスを成功するためには、信頼のおけるパートナーが必要である。しかし、
中国人といわず世界の大半は、見ず知らずの赤の他人を信用しない。一方日本人
は信用しがちである。
中国人(フィリピン人もそうだが)、第一に親族、第二に友人である。だから普
段から友人をつくることに熱心である。
ある人から中国人についてこういうのを聞いたことがある。
友人になることは、本当のWin&Winになること。お互いに金持ちになるときは一
緒で、また貧乏になるときも一緒であると。
また別の人からこう聞いた。
友人関係はビジネスとは別の次元にある。友人に頼まれたら信義を尽くすべき
だ、ただ友人の足を引っ張るようなことをしてはいけない。
私は後者の方が正しいような気がする。前者は弱者にとってのご都合主義のよう
な気がするからだ。結局は自分の信じるところの信義に基づくより他ならないだ
ろう。
いくつか篤義の例がある。
同仁堂という北京の薬局では、原材料が高くなったとき、大切な薬だということ
で値段を上げなかった。アメリカのH.J.ハインツという食品加工会社は自社の製
品が合法だが人体に問題あることを公表した。
松下電器も製品を香港に送ったところ、届いた荷物の梱包が解かれてメチャク
チャになっていた。それを販売代理店が指摘したら、松下電器は謝罪して責任を
負った。
どれも、一時的な利益を得るのではなく、双方がWin&Winの関係を築き信頼関係
を築くことを重視している。結果的に信義に尽くしたことが、大きな利益になっ
ている。
お客さんもよかった、得をしたという結果を得ること。そして私もやってよかった、得をしたという気持ちを得ること。すごい単純だけど、その積み重ねがビジネスを成立する基礎ではないかと思う。