- 「商人として成功するためには、並外れた度胸と気迫がなければならない。
他人が思いつかないこと、また、考え付いても勇気がなくてできないことを、や
れなくてはならない。特に、人が気付かないことに気付き、誰の目にも明らかな
危険のなかで、誰も気付かない『見返り』を見ぬくこと、そして目標を定めた
ら、他の人が冒そうとしない危険をも冒す勇気が必要である。もちろん、勇気は
決断のための唯一の要素ではない。勇気には、状況を徹底的に理解し、正確に推
論する能力がともなかなければならないのである。」
お金を得ようと思えば、リスクをとるしかない。ローリスク・ローリターンかハ
イリスク・ハイリターンのどちらをとるかというのは、よく聞く話である。
何かしようとすれば、お金はかかる、人手はかかる、時間はかかる、いずれにし
ろ何がしかの資源は必要とする。それはビジネスをするにしろ、会社で雇われる
にしろ、どんな場合でも同じである。
ローリスクは誰もがやろうとするから、競争が激しい。ローリスクどころか、競
争するのでハイリスクかもしれない。しかし、ハイリスクなものは、一般的には
ハイリスクと知られていても、自分の慧眼からみて本当はローリスクかもしれな
い。あるいは工夫と努力でローリスクにできるかもしれない。
- 「借鶏生蛋」と「移花接木」
「借鶏生蛋」、他人の鶏を借りて卵を産ませる。
「移花接木」、花木を接木する。人知れず巧妙な手段で自分のものにする。
自分は資金をもたなくても、他人のお金を使ってレバリッジを効かせて、お金を
稼ぐ。胡雪岩は、国が短期にお金を借りるところを、仲介に入って長期の借りと
して、その間に国のお金を使って金貸し事業を運営した。
また別の生糸事業でその金を使って利益を出す。そして利益を得てからを金を戻
す。お金がないところから、他人のお金を使って、事業を大きくしていったので
ある。
またルドウィグという海運王は、最初はお金がなかったところから海運事業を始
めた。まず、船がないのに石油会社に石油運搬の契約をとりつけ、その契約書を
元に銀行から金を借りて、中古の貨物船を買ってタンカーに改造した。
彼個人には信用はないが、石油会社の契約を担保に信用を得て、お金を借りたの
である。そしてタンカーの運用から、銀行への借金を返していって、最後にはタ
ンカーを自分のものとした。
それだけではなく、「償還延期貸出」というのも考案した。まず船を設計して作
り始める。船を完成するのに長期間かかるので、作り始めたときに銀行からお金
を借りて、残りの工程を完成させる。船を作っている間は、返済を待ってもらう
のである。こうして、次々と船を作って、そして最後には借金を返済して、船を
自分の所有としていった。
造船所も同様な方法をとり、事業を大きくしていった。
そしてアメリカでは造船業が、賃金と物価、税金が高くなると予測すると、素早
く撤退して、戦後の日本で始めたのである。戦後の日本は何もない状態で、海軍
は船を作ってはいけない状態だったので、アメリカ政府・日本政府とも歓迎ムー
ドで彼を迎えた。日本人の技術、低賃金、税金の優遇制度、すべて彼には好転した。
これらは、「金持ち父さん貧乏父さん」でも触れられている。自己資金でできる
ことには限りがある。いかにレベリッジ(てこ)を効かせて、大きなものを動か
すかが大切であると。大きなものを動かそうとすれば、リスクは比例して大きく
なる。しかし、我々に備わっている知恵を使ってやれば、成功するかもしれな
い。そして大きな成功を掴むかもしれない。
もちろん大失敗するかもしれないが。大失敗してもいいじゃないかって思えば、
いいんじゃない。どうせ一回きりの人生だしね。