- 短所にとらわれて、人材の長所を見逃すな。
「人が持つべき最も重要な能力は、人をうまく使う術である。これができなけれ
ば、大事を成すことは難しい。」
「この世に完全な人材はない。したがって、使えそうな面さえあれば、他の短所
にはすべて目をつむってもいい。人の長所を使うときには、短所も受け入れなく
てはならないのである。」
「一本の木だけでは森はできない。私がいくら優れた能力をもっていたとして
も、周囲の人材を活用できなければ成功は不可能だっただろう。私の成功の秘訣
は、人があえて使わない人材を果敢に受け入れる眼識を持っていたことである。」
この世に完全な人材はいない。人は長所と短所をあわせ持つ。
また長所はときには短所になり、短所は長所にもなる。
よく会社では、人材を採用するときや評価するとき、悪いところはないかを
チェックすることがある。役所や銀行では、失敗だけをマイナス評価することが
多い。リスク冒して成功したことは評価せず、失敗したことだけを評価する。
この時代、そんな評価をしてきたから、役所や銀行は優秀な人材を採用しても、
こんなことになっている。
ドラッカーはこういっている。
「起用した人間に短所がなければ、その結果は平凡な現状維持に過ぎなくなる。」
「何でもできる」ということは、「特にずば抜けてできるものがない」のと同じ
ことだ。
要は使い方である。
胡雪岩は、世間では疎まれるような人材も登用した。
その疎まれるような人材のうち一人はバクチで身を落とした人だったが、登用の
基準は、以下のようなものだった。
- 頭の回転と行動がとても早かった
- 人を裏切らない
- 言ったことは必ず守る意志の強さがある
実際に、バクチを止める約束をした後にお金を渡している。そのお金を使い込ん
でしまうかどうかテストした。
- 「大きな才能は大きく使い、小さな才能は小さく使う」
「相手の能力と自分の能力を見極めればいいのである。こういう人は使える、こ
ういう人は使えないというべきでない。薄く割った竹片にもそれなりの使い道が
あるように、その人材の適切な用途を考えればいいのだ。竹片がなければ柵をく
めないのと同様、小さく些少な能力も、よく吟味して適切に用途に投入すること
をしらなければならない。」
事業の役職を3階層に分けた。
一番上位に、経営管理に優れた人材、製品について通じた人材、財務に詳しい会
計責任者の3人に巨額の報酬を用意して任せる。これが現代でいう、CEO、CTO、
CFOに相当する。
次に彼らの仕事を実践する部下、部長・課長クラスが存在する。
末端に、一般労働者がいる。
とはいえ、末端から上まで適材適所に配置して、社員を大切に扱った。
前述のバクチをしていた人は、接待責任者として従事したようだ。お客様にバク
チで勝たせたり、話をすることがうまかった。
- 「疑ったら使うな、使ったら疑うな」
一度人を登用したら、原則だけ伝えるのみで、仕事の細部は任せる。
万一失敗しても、失敗をリカバーできるぐらいの度量が上司は必要である。
「失敗しても気にするな。俺がなんとかしてやるから」って。
信用できないならば、登用するべきでない。
実際に、自分で工夫して仕事をしていることを上司が細かいところまで指図され
ては、何をどうすればいいのかわからなくなってしまう。
- 「このうえない感動が人材をつくる」
才能のある人を請うときは、三顧の礼をするべきである。
報酬も十分に与え、その人が心配事をなくすぐらいでなければならない。
胡雪岩が劉慶生を登用したときは、一人分の生活費ぐらいではなく。故郷に残し
てきた両親と妻子を呼んで暮らすことも十分な量を用意した。
劉慶生は感動して忠義を感じ、また家族に関しての心配もなくなる。その結果、
心も安定して頭の働きも活発になって、優れた発想ができる。
私も東京で就職したとき、たくさんの報酬を得て忠義を感じました。必死にやり
ました。リストラのとき、自分から率先して給与を下げてもらい、また給与をス
トップすることも提案しました。そのときは、劉慶生と同じ感じだったでしょう。
相手がお金よりも名誉を重視しているときは、名誉に報いる。相手が困っている
ことを助けてあげる。
残念ながら、妻子はそこまで忠義を感じなかったので、妻は東京での仕事に反対
しました。もしも妻子のために、家を用意してくれていたら、どんな状況でも仕
事は続けていたかもしれません。私は妻に説得はできませんでしが、もしそうで
あれば私が会社を辞めたくても妻が辞めさせてくれなかったかもしれません。
私も事業家になったとき、よく考えてみたいと思いますが、お金についてはよく
考えてみたいと思います。
台湾の実業家、蔡万霖がこういっています。
「金をばらまけば人が集まり、金を集めれば人が去っていく」
彼は自分が多額の報酬を得るよりも、社員にボーナスとして還元した。社員はそ
れを義に感じ、会社に貢献する。また、稼いだ額の多くを寄付した。
胡雪岩は、お金を持っている人には事業に対しての投資をすすめ、なければボー
ナスを与えていた。事業で成功したら、みんなが相応のリターンを得るという仕
組みにしている。社員が実業家の一角を担うことで、自分の会社であるという意
識もでるので、給与以上の働きも自然とする。
事業家というもの、相応の能力が、事業のサイズを決めてしまうものかもしれない。