ブログでも紹介させていただいた、太田靖之さんの3部作を読み終えた。
「緊急呼び出し エマージェンシー・コール」
「約束の十字架」
「マニラの帝王」
最初の本は文庫本で「灼熱の病棟 エマージェンシー・コール」というタイ
トルに変わって発売されているようだが、他の本はほとんどの本屋で売られ
ていない。私は図書館で借りた。地元では名古屋市鶴舞図書館、東海市中央
図書館にあった。
全ての作品はフィリピンで医師をしている日本人が太田」という主人公が出
てくる。この作品は太田さん自身の稀有な経験と彼の文才から生み出したも
のだろう。
- 「緊急呼び出し エマージェンシー・コール」
太田はフィリピンの最貧地区トンドに隣接する国立ノースジェネラルで勤務
するインターンとして働く日本人医師。国立病院だが予算がなく十分な医療
ができないという現実がありながら、トンド地区から貧しい人がどんどん運
ばれてくる。
太田の性格からかついついトンドの人たちと関わってしまい、いろいろな面
倒を抱え込んでいってしまう。フィリピンの医療状況やトンドの様子を伝え
る、フィリピン版ER。
- 「約束の十字架」
上記の続編となるが、フィリピンの裏社会、新人民軍"NPA"、風俗などへと
テーマは広がる。貧困のためその社会に飛び込まざるを得なかった人たちが
小説の中で生き生きとしている。
- 「マニラの帝王」
2から数年経た続編となるが、太田医師を含めた立場の異なる日本人3人が
関わるフィリピンがテーマだ。
ひょんなことから風俗店のオーナーとなってしまった日本人、日本大使館に
勤める日本人と太田医師が知り合い、それぞれに関わるフィリピン女性で話
が進んでいく。
この3部作は太田医師が実名で登場して舞台設定も彼の経験に基づくもの
だ。私が妻と結婚するようになってから、フィリピンに関する本を20冊以
上読んできたと思う。妻の目を通したフィリピン、私の関わったフィリピン
そして今まで読んだ本から得た知識を、小説という形でわかりやすく書いて
いる。原寸大のフィリピンがこの小説にある。そして私がフィリピンについ
て知っていること関わってきたことがここにあり、これ以上の資料はないぐ
らいだ。
ただ避けられないことかもしれないしこれらの小説のテーマなのかもしれな
いが、フィリピン人からしてみればよそ者の日本人の視点で見ていること
だ。そのことも小説の中でホセが語っている。