子どもが「デジタルとアナログの違いってなに?」と質問した。
「テレビのアナログ地上波がなくなって、デジタル放送に切り替わる」ニュースを知ってからだと思う。
2011年7月24日に終わるらしい。我が家はテレビが壊れてしまったから液晶テレビを買ったが、壊れていなかったらまだアナログ放送の古いテレビを持っていて「そろそろ考えなくてはいけないのかな」と言っていたかもしれないと思う。
ところで、アナログとデジタルの違いってなんだっけ。
レコード と CD
時計の針 と 数字を表示する時計
いろいろあるけれど、デジタルはdigit-al。digitとは10進数という意味なので、数字を表わすのがデジタルという意味のようだ。
自動車のスピードメーターもデジタルのものがあるし、FMラジオの周波数もデジタルが多い。
そういえば、腕時計もデジタル時計が出てきたときはストップウォッチなどの機能があってかっこよかったけれど、たくさん出回りすぎて安っぽくなり、今ではデジタル表示のものはすくなくなってしまったなぁ。
結局、デジタルでもアナログでも表示できるので、人間にとって使いやすいほうが残ったイメージが多い。
一方で、信号の中身としてはアナログからデジタルに切り替えられるようになった。私がコンサルティング会社に勤めたとき、お客さんに言われたことを思い出した。
音声でも動画でも、デジタルデータにしたらデータ容量が大きくなりすぎて入りきらないのなら、アナログの方がデータ形式としていいのではないか?
そのときは、MP3もなかった時代(MP3の元の規格であるMPEG1動画フォーマットはあったけれど、それを圧縮するのにスーパーコンピューターが必要だ。表示するには専用のボードが必要だと言われた時代)。
1曲のデータは無圧縮だったので50MByteあった。
DVDはなくCDはあったので、650MByte分のCDに15曲ぐらい入るとしたら、50MByteくらいだろうか。
ハードディスクが240MByte(今の1000分の1以下)で、動画もQuickTimeの160×120の小さな動画が1分で3,4MByteもいってしまった。小さな動画なのにパソコンに全然入らない状態。
そんなときに、パソコンで動画や音声を扱うのは大変だね。
これなら、VHSのテープレコーダーやCDを直接つないで画像や音声を出したほうがいいんじゃない。
「将来はきっと扱えるようになるよ。」
と返答したけれど、何も将来のあてがなく、言い切られてしまった。
あれから17年。
YouTubeやニコニコ動画などが当たり前の時代。
平方インチ当たりの容量がアナログデータよりデジタルデータの方が大きくなってしまった。レコードに動画は入らないし、ipod shuffleのサイズはテープをつかったウォークマンよりずっと小さい。
DVDやBrulay、ICチップといった光学処理と要素技術の発達もあるけれど、デジタルの信号処理の発達も大きい。MPEGの動画の圧縮技術はサイズを数十分の1にしているし、そこから派生した音声の圧縮技術も同じ。
圧縮すれば小さな場所にたくさんのデータを入れることができる。
その結果、携帯電話も2000年頃まではアナログ方式があったけれども、デジタルに置き換わった。
テレビもその流れなのでしかたないかなと思うけれど、、、、今度は内容が伴っていないようだ。
時計がアナログからデジタルになって、再びアナログに戻っていったように、人間の方が進化していない。その結果、技術は人間に歩み寄ってきた。
コンピューターも同様で、人間の計算処理より何億倍も速く計算できるのだが、コンピューターにも苦手な部分があり、そうでないところは画面をわかりやすく表示するというアナログ的な処理に戻っている。
コンピューターで苦手なことはだんだんと埋められつつあるので、それが心配であったり、また興味深いことでもある。