「あいつ、うぜえ奴」
「あっ、ごめんなさい。鏡を見てました。」
前に起業の失敗の原因について考えていたが、他にも重大な問題があることがわかった。なんとなくわかっていたけれど、やっぱりこれが一番の問題点だと思う。
それは自分自身であった。
どの集団でも、能率的に仕事をしようとすると邪魔になるのが「自信過剰」タイプの人です。(中略)仕事の上で本当に使えない人というのは、能力が低い人ではなく、自分の能力を過信している人です。
能力を過信している人は、たいていのことは記憶できると思っているため、本当に大切なことでもメモを取りません。そしてときどき大きな失敗をします。ちょっと手間をかければ確認できるようなことを、安易に確認せずにやってしまうので、やはり失敗します。
それなりの学歴があってそれなりの地位を得ている人が能力を過信している場合は、初歩的なミスをしても、「自分のような能力が高い人間がまちがうのだから、やむをえないミスだ」と、考え反省しません。周囲からすればかなり迷惑ですが、あまりに根本的な問題すぎて、誰かが修正をしてあげるということも難しいのです。
本当に低い能力しかなくても、人はたいていの仕事をやりながら覚え、何度も繰り返し行うことで能力を高めていくものです。
モノやサービスや人や情報について、探す、知らせる、分ける、結び付ける、運ぶなどをおこなうことで、何らかの取引コストを節約するような仕事が、じつは大きな価値は持っています。これらの仕事は、特別な技能がなくてもできますが、次のような能力が求められます。
(1) 自分に何ができるか(できないか)をきちんと自覚していて、自分にできることを確実におこなうことができる(一定以上の責任感がある)
(2) 相手がどういったことを望んでいそうか想像できる(いろいろな状況を想定できる)
(3) 論理的に、あるいは熱意・誠意をもって、説明する能力が一定程度ある
(4) 自分がミスをすることを前提に、重要な点は他人に確認を依頼することをいとわない
実際に、専門的な技能が高い人よりも、平凡だけれども、平凡なりにこの(1)?(4)の能力がある人の方がたくさん稼ぐという例が多いはずです。また、(1)?(4)の能力があれば、専門的な能力は、何らかの仕事を続けることで経験から学んで高められるでしょう。
スタバではぐらんでいを買え! 価格と生活の経済学
吉本佳生著 より
会社にとって、社員を採用するときに能力よりも人柄を重視します。
それは、会社という組織は一人でなく複数で一緒に仕事をして成果を上げるのですから、協力して仕事を成し遂げることが必要です。
そのため平均的な能力であるけれど一緒に仕事をしやすい人の方が、専門的で協調性のない人よりも成果を上げやすく、価値があると言えます。
ひるがえって、会社組織でなく取引する相手であっても、専門性以上にそういう基本的な要素が重視される傾向にあります。
私も頭ではわかっているのですが、状態がわるいときにそういう傾向がありますので注意をしなくてはいけません。また差別化のために、わざとそういうところを見せてきたりしたのですが、まずは基本的なところを抑えて上でやる方がいいみたいです。