寓話を思いついたので書いてみる。
「あー、眠い。そろそろ寝ようかな。」
もう夜遅いので寝ることにした。
横になると、疲れが意識を吸い込んで、落ち込んでいくようだった。
翌朝までの7時間ぐらいは、2時間おきに寝返りを打ちながら夢を見るらしい。
しかし、誰も記憶にはないけれど、神さまとこういう話をしていることは知られていない。
寝て意識がしばらく経つと、あたりが白くなって神さまが現れる。
にっこり笑って、尋ねた。
「お疲れさん。今日はどうだったかね?」
「まあまあですかね。仕事はうまくいきましたか。メンバーに気になるのがいて注意をしましたけど。でも仕事が遅くなって、妻とはちょっと口げんかをしました。」と私は答えた。
「何か人のためにいいことをしたかね?」
「ん?、したともいえるし、していないともいえる。50:50かな。」
神さまは裁判官のように、
「いや、私が見たことはちょっと違うよ。ほら君のメンバーは、君に良かれと思って意見をしたんだよ。君のために言ったんだ。しかし君は感情的になって、権力をかさにきて反抗した。点数をつけるとマイナス30。
でも一方で君はその仕事に尽くしているところもあり、みんなのために成果を上げていることもある。そのことについては君はプラス20かな。
奥さんについては、奥さんの気持ちを落としてしまった。マイナス10かな。
他にも、、、、、、」
神さまの話は評価は続いた。今日は、結局マイナス10ぐらいで落ち着きそうだ。
毎日、プラスになったりマイナスになったり、小さな変動が続く。
いつになったらプラスを貯めて天国へいけるんだろうか?
世の中にたくさん貢献した人は、こうやってプラスを貯めて、天国へいけるんだろうなぁ。
そうだ、大事なことを忘れていた。
私たちの身体はレンタルされているんだった。
明日の朝までに、「身体をレンタルしなくてもいいよ」と神さまに告げれば、契約終了でもう人生を終えることができる。毎日の奉仕も終わりにすることができる。
結構このレンタル代が高い。だからマイナス10どころか、身体のレンタル代100を足すと、マイナス110となる借金だ。
生まれる前に、神さまに「どの身体がいいかい?」と尋ねられたっけ。
美女だったり、賢く生まれたり、お金持ちの家に生まれれば、多少なりとも人生は楽だよ。でもレンタル代が高いよ。成功して人に尽くすことが容易だから、それだけレンタル代が高いというわけだ。
稼ぐのも多いけれどレンタル代も高い。
ほどほどだったら稼ぐのは大変だけれど、その分レンタル代も安い。
さあ、あなたはどれを選ぶかね?
私はどれを選んだかなぁ。もうあいまいにしか覚えていないけれど。
そして朝になると、また同じ身体をレンタルして次の日をすごすのであった。
「同じ身体の方がやりやすいからね。でも神さまと話したことはなぜか忘れちゃうんだよね」
レンタルした身体を粗末に扱ったり、壊したりしたら、レンタルの罰金だからね。自殺なんて途中解約だから、高いよ。